なんと月面に広告! 衛星プロジェクションマッピングで人類カバー率100%![1/2]

なんと月面に広告! 衛星プロジェクションマッピングで人類カバー率100%![1/2]

マンガやアニメなどの日本のポップカルチャーを、広く「Otaku Culture」として世界のみんなに紹介しているTokyoOtakuModeだが、もちろん日本の強みはそれだけじゃない。テクノロジーの分野でも、日本はこれまでにたびたび世界を驚かせてきた。それもまた、ボクらの自慢だ。

でも、今回のニュースほど驚かされるのは、たぶん初めてだと思う。月周回衛星からのプロジェクションマッピングで、地球の全域から鑑賞できるように、月面に映像を投影するという壮大な計画が進行中だ。

日本の「月計画」といえば、2007年に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「かぐや」が記憶に新しい。英語では「SELENE」とも呼ばれた月観測衛星だ。月周回軌道に投入された「かぐや」は、アメリカ合衆国のアポロ計画が終了して以来、もっとも重要な月探査プロジェクトとして注目される中で、1年半にわたって高精度な観測を成功させた。そして2009年のミッション終了後には、当初の計画に沿って「SELENE-II」が正式ミッションへの移行を進めていて、こちらは無人機の軟着陸から直接探査を実施する予定だ。

ところがその流れの裏側では、とんでもない別プロジェクトが進行していた! 月面の影の部分に映像を投影し、しかもプロジェクションマッピングの手法で球体の表面に最適化することで、地球から月面スクリーンが鑑賞できるようになる、という話なのだ。このプラン、教育コンテンツに導入すれば、将来の優秀な宇宙飛行士を目覚めさせることにもつながるはずだ。でもまあ、最大の活用としては「広告」だろう。地球上のすべての人類に接触機会があり、しかもユーザーサイドのディバイスに依存しない広告アプローチは、まさに画期的。心配なのは「雲行き」だけだ。

念のために説明しておくと、映像は月面の影の部分に対して投影される。昼間と比べると月明かりは暗く、満月でも太陽光の40〜50万分の1の明るさで、太陽光の7%しか反射していないのだが、それでもスクリーンに見立てるには輝度が高過ぎる。したがって、月面スクリーンが最大に機能するのは新月のタイミングだ。

さて重要なのは「いつ、どこで見えるのか」だが、そこも綿密に計算されている。月面から100キロメートルの高度で周回した「かぐや」は、1時間58分の周期で運用された。つまり、地球から見える範囲を1時間以内で通過し、月の裏側が見えないのと同じように、裏側に回った「かぐや」は見えない。そこで今回スクープされた計画では、高度の調整で周期を数時間に設定し、地球から目視できる時間を確保するという。地球の「夜」は世界のタイムゾーンを移動する。そこにあわせて、月面の影の部分に映像を投影して見せるのだ。月が美しく見えるのに十分な暗さと、人々が寝静まる前の時間帯がマッチするエリアの移動に合わせて、ゾーンごとに30分から60分程度の「プライムタイム」を提供できる。それが日本なら日本語で、北米なら英語で、それぞれのゾーンに合わせた内容での展開が可能だ。本当に、聞くだけでワクワクする話だ。

しかしこの革命的なテクノロジーで、いったいどんな企業が、どんな広告を展開するというのだろうか? それについては、関係筋からちょっと気になる話を聞いているんだ。詳しくは、次のページで紹介しよう……2/2へ

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